


独学には「メリット」と「デメリット」があるので、詳しく解説しますね。
この記事の内容
- 日商簿記3級の概要
- 日商簿記3級の独学のメリット・デメリット
- 日商簿記3級の勉強に向いている人
日商簿記3級は簿記の用語や考え方の基本的な部分を学習します。市販のテキストは良書があり、多くの人が独学で合格をしています。
資格の学習を初めてする人は、学習の方法に不安を感じている人が多いです。独学を系ついしても「良いテキストに出会えるか?」「探す時間がもったいないな」と感じる人もいます。
この記事を読むと、どのようにして独学で合格できるか納得できますよ!
この記事で解決できること
- 独学のメリット・デメリットが理解できる
- 独学で学習する費用が分かる
- あなたが簿記3級の学習を始めたほうがいいか分かる
簿記に興味を持つことは「お金に興味を持つ」ことなので、これからの人生にとても役立ちます。この記事ではわたしの経理の経験から、実務の目線で解説するので最後まで読んでくださいね。
この記事を書いた人
日商簿記3級とは?

日商簿記3級検定の受験情報
日商簿記3級は日本商工会議所が主催している「公的資格」です。
>>日本商工会議所HP
受験者数や合格率などの、基本的本的な情報を、年代別にまとめて解説しますね。
日商簿記3級の基本的情報の概要
- 受験者数は20万人超
- 合格点は70点以上
- 合格率は約50%
- ネット試験が2020年12月14日に開始
日商簿記3級の基本的情報の年代別まとめ
出典:日本商工会議所
受験者数が多く合格率が高いので、会計を学ぶ人や、経理をする人の基本的な知識が勉強できます。早い人は高校で簿記を学習して、日商簿記3級に合格する人もいますよ。受験料は2,850円でネット試験の場合は、追加で550円が必要です。
小規模の会社を想定していて、これから会社を起業する人にも、勉強になる資格になっています。
日商簿記3級出題形式・商業簿記とは
ここでは日商簿記3級の「出題形式」「商業簿記とは」を紹介します。
日商簿記3級の出題形式
- 第1問 仕訳問題5問(20点)
- 第2問 帳簿記帳、勘定記帳(10点)
- 第3問 試算表作成、まれに財務諸表作成問題(30点)
- 第4問 伝票会計(10点)
- 第5問 精算表作成、まれに財務諸表作成問題(30点)
簿記は大きく分けると「仕訳作成→仕訳集計→精算表作成」の一連の流れを学習します。さらに、それぞれの項目の中で深掘りをして学習します。
簿記で使う単語は初めて見る人が多いですが、学習をしていく中で自然と覚えます。そして、実際の経理では必ず使う単語なので絶対に覚えましょう。
投資をする時にも使う単語なので、覚えてると役立ちますよ。
商業簿記とは
- 購買活動や販売活動など企業外部との取引を記録・計算
- 企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行う
ここも難しい定義です。要約すると、その会社の財政状態と経営成績が誰が見てもわかるように集計する事です。
会社によって資料の作り方が違うと、投資家や債権者は他社と比較する事が出来ないので、同じルールで作る必要があるんです。
これは、日本だけでなく海外も同じ考えです。最近では、日本と海外の会社を比較できるように、共通ルールを作っていますよ。
日商簿記3級の難易度
日商簿記3級が「合格にはどのくらいの学習時間が必要か」を解説します。
学習時間
- 独学:120H〜140H
- スクール:80H〜100H
独学で学習する場合は、スクールを利用する場合に比べて、1.5倍ほど必要になります。この理由は後で詳しく解説します。
仮に独学で学習する場合120Hの学習時間が必要として、どのくらいの期間が必要になるか計算してみますね。
学習期間
- 例①:平日1H✖️5日=5H、土日3H✖️2日=6H 週11H 月44H
- 例②:平日2H✖️5日=10H、土日5H✖️2日=10H 週20H 月80H
ざっくりの計算で「例①は3ヶ月弱」「例②は1.5ヶ月」が合格の学習期間になります。
働いている人にとって、1ヶ月以上毎日勉強をする事は難しい事です。ネットやSNSで、日商簿記3級は簡単に合格できる書かれていますが、鵜呑みにしてはいけません。
これは参考の学習期間で、学習を始めるまでの知識によって学習期間は大きく前後します。周りに教えてくれる人がいると、大幅に学習期間は短くなります。
簡単に合格できたと言っている人は、学習環境が良かったかもしれないですね。簿記3級の難易度について詳しくまとめた記事があります。合格するための方法をまとめているのでぜひ読んで下さい。
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簿記は難しい?【2022年度】試験の概要と対策をベテラン経理が解説【簿記3級は難しい?難易度は高い?】
続きを見る
日商簿記3級の役立て方
ここでは日商簿記3級の「学習後の役立て方」を紹介します。
日商簿記3級の取得後の知識
- ビジネスパーソンに必須の基礎知識
- 職種にかかわらず評価される
- 基本的な商業簿記を修得
- 経理関連書類の適切な処理や青色申告書類の作成
- 初歩的な実務がある程度できる
- 中小企業や個人商店の経理事務に役立つ
並べてみると、難しく感じます。要約すると学習する事で、仕事では評価される、投資をする際の判断知識が身に付く、日常生活でお金の意識が身に付く、という事です。
「本当?」と思うかもですが「全く知らない」と「少しでも知っている」のでは、物事を判断する時に大きな違いがあります。
簿記は数字に関する「基本的な知識を学ぶ」ので、決して大袈裟ではありません。簿記の知識の役立て方をまとめた記事があります。それぞれの級を取得することで、活かせる方法をまとめているのでぜひ読んで下さい。
続きを見る
簿記の役立て方【失敗しない】簿記の知識を仕事に活かす方法を解説します【簿記1級、簿記2級、簿記3級】
日商簿記3級の独学の3つのデメリット

どんな事にも、メリットとデメリットがあるので、どちらを選択するか慎重に考えましょう。
日商簿記3級の独学の3つのデメリット
- モチベーションの維持が難しい
- 取引のイメージできない
- 分からない時に質問できない
モチベーションの維持が難しい【続ける状況を作ろう】
モチベーションの維持は、資格を取得する上で最も重要
どんな資格も共通して言える事が、独学で挑戦するとモチベーションの維持が難しいです。
毎日机に向かって一人で頑張っていく事は、勉強をスタートした時は頑張れますが、時間の経過でモチベーションが下がります。
「私は絶対にモチベーションを維持できる!」という人は、ここは無視して下さい。ただ多くの人は、維持する事を難しいと感じるんです。
モチベーションを維持する方法
モチベーションを確実に維持する方法はありません。私が新しい事を始める時は、親しい友人に報告しています。そうする事で、途中で辞めたくなっても、最初に友人に報告した事で、辞めれない状況を作るのです。応援してくれる友人を裏切れないのです。
取引のイメージできない【SNSを活用】
実務で使うイメージができない
日商簿記3級で学習する内容は、実務業務の一部になります。さらに独学の場合は、本に書いている内容が全てなので、それ以上知識を身につける事が出来ません。
最近ではYoutubeで解説している動画もありますが、試験合格のための動画なので、実際の取引をイメージするのは困難です。
簿記は普段使わない言葉を使って、独自のルールで学習します。実務をイメージしながら学習する事は、とても重要です。
SNSを活用しましょう
意外かもしれませんが、SNSは有用なツールです。正しい知識を持っている発信者を見つけるのは、少し時間がかかりますがSNSは親切な人が多いので、質問すると丁寧に回答してくれます。
ただし、悪徳商法やマルチ勧誘があるので、注意が必要です。生きていく中で、正しい判断が出来る事は重要なので、経験する事をオススメします。
分からない時に質問できない【SNSを活用】
講師がいないので、質問ができない
簿記を学習していくと、必ずどこかで理解ができない論点が出てきます。その時に、通信講座や通学講座を利用していると定期的に講師に質問ができますが、独学の場合は質問する人がいません。
考えたり、わからない事は検索をして調べる事は大事です。ただし、全ての人に理解出来るようなサイトはないので、検索をしても解決しない場合があります。
わからないまま放置して、誰かに聞いて理解せずに次の論点に行くと、積み残しになります。
SNSを活用しましょう
これは質問できない時の、解決方法と同じです。SNSでは実務を経験している人がたくさんいます。正しい知識を持った人を見つけて、質問をしてみましょう。
教えてもらった後にお礼をすると、教えた方も役に立てたと満足できるので、良い関係を築く事が出来ます。
日商簿記3級の独学の5つのメリット

独学はあなたのペースで、縛りのない学習が出来ます。色々な考え方があるので、あなたに合った考えを見つけて下さいね。
日商簿記3級の独学の5つのメリット
- 学習期間が短い
- 良質なテキストが多い
- 価格を抑えられる
- 時間に縛られない
- 自分のペースで進める事ができる
学習期間が短い
日商簿記3級の学習時間は【日商簿記3級の難易度】で紹介しました。独学の場合の目安は120H〜140Hです。
他の資格の入門講座に比べて、特に学習時間が短いという事はありません。しかし、日商簿記3級を合格できると、学業や就職に評価されます。
週に20時間の学習時間で、1.5ヶ月の学習期間になります。人生の中で1.5ヶ月の学習期間で、学業や就職で評価される資格を取得できると考えると、費用対効果は抜群ですね!
良質なテキストが多い
日商簿記3級は、多数のテキストが出版されていて、自分の読みやすいものを選べます。テキストを紹介します。
日商簿記3級のテキスト
どれか一冊を読むと「こんな事を学習するんだ」とイメージ出来ます。ただし、実務につなげてイメージは出来ません。
「どのテキストがあなたの学習にピッタリか?」をまとめた記事があるので読んで下さい。
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テキスト比較【簿記3級】独学のテキストと問題集を無料サンプルを見て比較【2022年度版おすすめ】
続きを見る
資格を取得するためには、テキストに問題が含まれていますが、問題集を購入して少なくとも全ての問題を3度は解いた方が良いです。そうする事で、合格に近づく事が出来ます。
価格を抑えれる
日商簿記3級は色々な資格学校で講座を受講できます。受講者が多い資格学校の、日商簿記3級の講座料金を紹介します。全てWeb講座の価格です。
資格講座の価格(Web講座)
- U-CAN:34,000円
- 大原簿記専門学校:25,000円
- TAC:25,000円
- LEC:15,000円
- クレアール:15,000円
価格は15,000円〜35,000円くらいで、資格講座の中では安い価格です。次に、独学の価格を紹介します。
独学の価格
- テキスト:1,500円
- 問題集:1,500円
独学の場合は、テキストと問題集を1冊ずつ購入して価格は約3,000円です。1冊ずつとしているのは、たくさんの本を購入するより1冊の本を何度も解く方が、理解が深まるからです。
それでは資格講座と独学の価格を比較してみましょう。
資格講座と独学の価格比較
- 資格講座:15,000円〜35,000円
- 独学:3,000円
圧倒的に、独学の方が価格を抑える事が出来ます。
簿記の勉強を続ける事ができるか不安な人は、独学で学習を始めて、テキストだけでは物足りないと感じたら、資格講座を受講するのも良いです。
解決能力が身に付く
簿記とは別のスキルになりますが、重要な事なので解説します。
ググる知識は必須です
これからの時代は、分からない事があれば、誰かに聞くよりも、自分で調べる能力が必要になります。分からない事を聞いて質問ばかりすると、質問される側は負担に感じるからです。
日商簿記3級はググれば解決
独学で勉強する事は、資格講座で学習するよりも分からない事が多いです。しかし、日商簿記3級のレベルであれば、インターネットで解決できる事が多いです。
どういったキーワードで調べると問題を解決できるかを理解する事は、これからの情報過多の時代に必要になります。簿記の知識と合わせて、習得しておいた方が良いでしょう。
自分のペースで進める事ができる
独学は資格講座のスケジュールがなく、自分のペースで学習ができます。特定の月は仕事が忙しくて、勉強する時間がほとんどない時期もあるでしょう。
独学であれば、資格講座のスケジュールに無理に合わせて、進める必要がありません。理解しないまま進むと、必ず理解できない問題が出てきます。
そんな積み残しをしないように、自分のペースで理解をして、学習を進めていく事は、重要になります。
日商簿記3級の勉強を始めた方がいい、3つのパターン

日商簿記3級の勉強を始めた方がいい、3つのパターン
- 経理で働きたい人
- 就職・転職を有利にしたい人
- 会計を勉強したい人
経理で働きたい人
経理と簿記は密接な関係があります。これは聞いた事があるかもしれません。経理をするためには、簿記の知識が必要になります。こんなアンケート結果があるので紹介しますね。
引用:ウィルオブスタイル
「意外となくても大丈夫」という人もいますが、その人は使っていることに気づいていないだけで、実際は簿記の知識を使っています。簿記を知らない人と、知っている人では、経理の仕事に慣れる時間が違います。
経理では、簿記の用語を当たり前に使うので、経理で働きたい人は、まずは独学で日商簿記3級の学習を始めてみましょう。
就職・転職を有利にしたい人
経理以外でも、日照簿3級は就職・転職に有利になります。もちろん、日商簿記2級を持っていた方が有利になりますが、最近の日商簿記3級は難しくなってるので、評価は高くなっています。
日商簿記3級の知識のおさらいをしましょう
- 会社のお金の流れを理解できる
- 部門ごとの損益を計算できる
- 会社の業績を理解する基礎知識がある
簿記を学習した事がない人は、会社の決算書を見ただけで、拒否反応を起こす人がいます。そんな人は簿記を学習した事がある人を、評価してくれる事が多いです。
もちろん必ず評価されるとは限りません。しかし、少しでも有利にする前向きな気持ちは大事なので、まずは独学で日商簿記3級を学習してみましょう。
会計を勉強したい人
会計士や税理士などの難関資格をするために、会計を勉強する人がいます。
最初は日商簿記3級から始めましょう
現役の会計士や税理士は、会計や税務のスペシャリストになりますが、最初は日商簿記3級から学習して、どんどんステップアップしていきます。
「日商簿記3級を飛ばして、日商簿記2級から勉強する」という人がいますが、推奨出来ません。最初から分からない言葉がいっぱいで挫折してしまうからです。
ネットの情報を鵜呑みにしてはいけません
ネットでは「初学者で日商簿記2級から学習を初めて合格できた」とアピールしている人がいますが、学習する前から会計に関する知識があったり、質問できる人がいる環境だったかもしれません。
多くの人は、特殊な環境ではなく普通の環境で勉強を始めます。まずは独学で日商簿記3級を学習して、簿記が面白いと感じたら順にステップアップするのが良いです。
日商簿記3級の独学のまとめ
いかがだったでしょうか?少しでも独学に対して前向きな気持ちになってもらえれば、嬉しいです。
最後にまとめますね。
日商簿記3級の独学の3つのデメリット
- モチベーションの維持
- イメージできない
- 質問できない
日商簿記3級の独学の5つのメリット
- 学習期間が短い
- 良質なテキストが多い
- 価格を抑えられる
- 時間に縛られない
- 自分のペースで進める事ができる
どんな事にも、メリットとデメリットがあります。日商簿記3級を独学で合格する事は、難易度もそれほど高くなく、合格出来ると自信が身につきます。
この記事を読んで頂いた方の中で、日商簿記3級の独学に挑戦して、少しでも良い人生を送って頂けると、本記事を執筆した甲斐があります。
独学をするときに「どのテキストがあなたに合うか?」をまとめたが記事があるので読んで下さい。
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