この記事で解決できるお悩み
- 上場企業の仕事内容は?
- 上場企業で未経験は働けるか?
- 上場企業で働くやりがいは?
- 上場企業で働く方法は?
この記事を書いた人
未経験者が感じる不安と、スキルを身につけるかを解説しますね!
単体決算を経験した人が次のステップアップとして選ぶ業務が『上場企業の連結決算を経験する』です。
連結決算は単体決算と異なり『グループ全体で考えた時に正しい数値は何か?』を理解する必要があります。普段の経理とは違う考え方です。
「新しい事を覚える必要があるけど理解できるかな?」
「上場企業で働く人たちはレベルが高そう」
このような不安を感じて、連結決算の業務に挑戦できない話を聞きます。
この記事では不安を解決するために、4つの流れで解説をします。
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1上場企業の業務
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2上場企業未経験者の不安
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3上場企業のやりがい
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4上場企業で働く方法
それでは、順番に解説をしていきます!
連結決算の5つの業務
連結決算に関する業務で作成する主な書類は次の3つです。
- 連結財務諸表の作成
- 有価証券報告書の作成
- 決算短信の作成
まず最初に『連結財務諸表の作成』を作成します。ここで連結決算の知識が必要になります。作成をした『連結財務諸表』を数値を『有価証券報告書』と『決算短信』に登録します。
『有価証券報告書』と『決算短信』の作成は会社法と金融商品取引法のルールに従って作成します
『連結財務諸表』は5つの重要な書類があります、全てが重要な書類ですよ。
- 連結貸借対照表
- 連結損益計算書
- 連結包括利益計算書
- 連結株主資本等変動計算書
- 連結キャッシュ・フロー計算書
決算業務で必要な時間は、50社ほどの連結グループの場合は「子会社から情報を集めて、連結仕訳を作成する」業務が8割くらいを占めます。
子会社の数が少ない場合は連結の調整が少ないので、業務にかかる時間は少なくなりますよ。
この記事では連結決算の作成に関する業務を5つに分類しました。
連結決算に関する5つの業務
- 事前に子会社の情報収集
- 子会社から数値報告収集
- 連結決算仕訳
- 連結財務諸表作成
- 開示資料作成
その過程で子会社から資料を集めたり、集めた数値に調整を加えたりします。ここで連結決算の知識が必要になります。それでは5つの業務解説をしますね!
①事前に子会社の情報収集
子会社の数が多くなると、連結仕訳に必要な資料を事前に集める必要があります。
連結財務諸表が完成に近づいた時に『把握していない取引がある』と気づくと、子会社に確認が必要になってしまいます。子会社もすぐに対応できるとは限りません。
特別損益が発生する取引は要注意
例えば、子会社間で有価証券の売買がある場合は、連結仕訳で調整が必要です。特別損益で発生する子会社間の取引が見落とされる事が多いです。
毎月発生する子会社間の営業取引の場合は報告がありますが、ほとんど発生しない取引は子会社の担当者は調整が必要か知らないために、報告がされない場合があります。
そのため決算数値を報告する前に、子会社の担当者に質問をします。
『グループ会社に対していつもと違う取引はありませんか?』
『取締役会で特別なことが承認されましたか?』
日ごろから子会社の担当者とコミュニケーションをしていると、新しい取引がある場合は事前に報告をしてくれる場合があります。
連結業務はグループ内で発生している事象をすべて把握する必要があるので、情報収集ができる体制が必要ですよ。
②子会社から数値報告収集
全てのグループ会社から必要な数値を入手して、グループ会社の会計方針で報告をされているか確認します。
子会社から入手する数値
①貸借対照表
②損益計算書
③株主資本等変動計算書
④キャッシュ・フローで必要な増減
子会社のルールでは正しくても、グループ全体で見ると正しくない場合があります。
たとえば、子会社では不動産収入を売上高としてるけど、グループの会計方針では営業外に記載する場合があります。表示方法は複数あるので統一が必要です。
なので、調整が必要な子会社には、正しい数値になっているか確認して「正しい個社数値」になっているか確認します。
キャッシュ・フローで必要な増減は、子会社の担当者は必要な報告事項が判断できない事が多いです。なので事前に共通のフォーマットを渡して入力を依頼します
この他にも有価証券報告書などで必要な、重要な投資計画や、契約に関する情報を入手します。入手のタイミングは数値情報を入手した後です。
③連結決算仕訳
子会社の数値が確定した後に数値を合算して、連結で調整が必要な仕訳を登録します。
- 内部取引相殺
- 資本連結
- 棚卸未実現
- 固定資産未実現
- 表示の相殺
棚卸未実現と固定資産未実現は、グループ内で資産計上される取引がある場合に調整が必要ですね。連結の調整仕訳は、グループ内で内部取引が理解しやすいです。
『親会社とグループ会社間で売買を繰り返す』
この売買を繰り返した場合を考えます。この場合は利益が出なくても、売上と仕入が膨らんでいきますよね。そうなると、売上と仕入の数値が実態とかけ離れてしまいます。
なので『親会社とグループ会社の取引を全て相殺』して連結財務諸表を作成します
グループ間取引は、決算時に全て集計するには時間がかかるので、毎月取引を集計して管理する会社が多いですよ!
④連結財務諸表作成
子会社の数値を合算して、連結仕訳を全て登録すると、連結財務諸表の暫定版が完成します。
連結仕訳は分担して登録することが多いで、論点ごとの連結仕訳は正しく感じても、連結数値で見ると間違っている場合があります
特に『キャッシュ・フローで必要な増減』に関する仕訳は、正しい増減でない場合が多いです。理由は、キャッシュ・フローの担当者以外は増減を理解していないからです。
なぜ増減が正しく登録できないか
増減管理は複雑なので詳細は割愛しますが、連結仕訳は子会社が報告した増減を調整する場合が多く、子会社の報告した増減を確認せずに、仕訳を登録する場合があります。
正しい増減管理は、正しいキャッシュ・フロー計算書を作成に必須なので、仕訳登録者とキャッシュ・フロー担当者が協力します。
連結財務諸表が完成すると、経営陣へ報告します。経営陣は『予算は達成しているか?』といつも気にしていますよ。
ただし、この後に監査法人の監査があります。連結精算表の精度が低いと、監査のタイミングで修正になるので注意が必要です。
⑤開示資料作成
連結財務諸表を作成した後は、開示資料を作成します。本決算とそれ以外で開示資料は異なりますが、主な資料を列挙すると次の5つです。
上場会社の開示資料
- 決算短信
- 四半期報告書
- 有価証券報告書
- 内部統制報告書
- 確認書
「期末決算以外」は、決算短信と四半期報告書と確認書を決算日から45日以内に開示します。
「期末決算」は決算短信を45日以内に提出して、有価証券報告書と内部統制報告書と確認書は、決算日から3ヶ月以内に提出をします。
有価証券報告書は量が膨大
有価証券報告書は、多くの企業が100ページを超える資料を作成します。作成するのは大変ですが、同じくらいに確認する作業が大変です。
有価証券報告書の作成は、上場していない企業では作成義務がないので、ほとんどの企業が作成していませんね。
本決算は連結財務諸表を頑張って作成した後に、とても大変な開示資料を作成するので、作業量がとても多いです。
でも、開示の経験を積むと専門職として認められるので達成感がありますよ!
連結決算未経験者の5つの不安
転職をするのは、勇気が入りますよね。しかも未経験の場合だと、さらに勇気が入ります。
連結未経験社が感じる不安を5つにまとめました。「やりがい」に関しては重要なので【3.連結決算のやりがい】で詳しく解説します。
連結未経験者に関する5つの不安
- どんな事をするんだろう?
- どんな方法で仕訳を管理するんだろう?
- 忙しいのかな?
- 難しいのかな?
- どんなやりいがあるのかな?
ここから、あなたが感じている不安を一つずつ解消していきましょう!
①どんな業務をする?
やるべきことは、連結決算の業務の流れで解説した通り、たくさんあります!
最初は覚える事がいっぱいで、まずは連結決算覚える前に会社のルールを覚える必要があります。共有ファイルの権限、資料の保管場所、コピー用紙の場所も覚える必要があります。業務を覚える前にすぐ事がいっぱいです。
その後に、連結財務諸表を完成させるための役割分担を与えられることになります。役割は色々あります。
連結の役割分担
①投資と資本の相殺に関する資本連結に関する仕訳
②固定資産未実現の相殺に関する仕訳
③棚卸資産未実現の相殺に関する仕訳
④内部取引相殺消去に関する仕訳
⑤表示の相殺に関する仕訳
会社側の考えは「未経験でもあなたと一緒に働きたい」と思い採用しました。気持ちに応えて、わからないことは質問して、ちょっとずつ学んでいきましょう!
②どんな方法で仕訳を管理してる?
会社の規模によりますが、小規模だとエクセルで管理して、中規模以上だと連結ソフトを使います。
連結仕訳の量は膨大です
連結仕訳は膨大な量になるので、会社数が多い会社はエクセルで管理するのはかなり困難です。例えるなら、会社の経理を会計ソフトを使わずにエクセルで管理しているようなものです。
会社の経理は税金計算が絡んでくるので、ほとんどの会社が会計ソフトを使っていますが、連結仕訳は税金に影響はしないので税務署に指摘されることはありません。
連結決算をする時に次の3つの要素があると難易度が上がります。
- 頻繁にM&Aをしている
- 100%支配していない会社がある
- 海外子会社がある
連結仕訳の期末決算をまたぐ繰り越しは、未経験者は理解が難しいと思います。わたしは苦労しました。会計ソフトは翌期になると「仕訳」を繰り越さずに「試算表」を繰り越します。連結ソフトは「仕訳」を繰り越します。これがすごいわかりにくいんですよ。
「利益剰余金 xxx / 未払金 xxx 」みたいな感じで、仕訳に利益剰余金が出てきます
ここはたくさん仕訳を見て慣れるしかないので、経験あるのみです!
③どれくらい忙しい?
これはどこの会社に対しても、不安に思いますよね...
上場会社は四半期(3ヶ月ごと)に決算を組む必要があります。期末決算に比べると、その他の決算はボリュームは少なくなりますが、上場していない会社に比べると作業量は多くなってしまうんです。
人員を正しく配置している会社は、毎月の作業量と決算期の作業量を調整しています。しかし「ベンチャー系やM&Aをしている会社は、変化が激しいので人員が足りていない」印象があります。
ただ、そういった会社で働くと「働いた分だけ知識となる」ので、興味があれば変化の激しい会社で働くことをオススメしますよ!
④どれくらい難しい?
連結決算の難易度は会社によって変わってきます。
業務記述書で体系ができている会社は、それにそって手順を進めると理解しながら仕事ができますが、体系ができていない会社は自分の知識で解決しないといけません。とても難しいです。
これも、ベンチャー系やM&Aで会社が大きくなっていると体系ができていないことが多いので、難しく感じると思います。
ただ、このような会社で働くと、自分で業務記述書を作成する必要があるので、その論点の知識が深まります。そして、誰がみても理解できるように作らないといけないので、ライティングの知識が身につきますよ!
⑤どんなやりがある?
やりがいはとても大事ですよね。
わたしが感じているやりがいはいつくかあるので、3つの項目に分けて解説していきますね!
連結決算のやりがい
グループ全体の動きが確認できる
連結決算の作成はグループ全体の子社の数値を合算して、連結で必要な調整して完成します。
ということは、連結数値の完成までの流れを全て理解していると「個社では利益が出ているけど、ほとんどがグループ取引なのか」と気付く事があるんです。
さらに、100%子会社ではない場合、全てがグループの利益にならないので、事前の取引を確認して、グループが最大の利益になるように調整ができます。
また、関連会社株式を売却したときに「連結数値ではいくら利益がでるか」の問いかけには連結決算の知識がなければ、答えが出せません。
ここの問いかけに、すぐに答えが出せるようになると「成長したなー」と自分を褒める事ができます。
自分で作成した資料が公に開示される
わたしは「グループ全体の数値を作成し、それを開示する達成感!」に一番やりがいを感じています。
TDNETやEDINETで検索すると、自分達で作成した資料を多くの人に見てもらうことができるので、なんだか嬉しくなります。
こういった経験は、他の業種では経験する事が難しいので「やってよかったー!!」といつも思っています!
専門的な知識を持てる
連結財務諸表が完成すると、監査で監査法人に説明をして、それを承認してもらう必要があります。
会計のプロと話して知識が深まるので、いい経験になりますよ。わたしもいろんな監査法人と話をして知識を深める事ができました。
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これまでで紹介した知識は、限られた人しか関わる事ができません。そこで得た知識は、どの会社でも通用しますよ!
連結決算業務のまとめ
ここで、おさらいをします!
連結決算の5つの業務を復習
- 事前に子会社の情報収集
- 子会社から数値報告収集
- 連結決算仕訳
- 連結財務諸表作成
- 開示資料作成
連結決算未経験者の4つ不安を解決
- 連結業務は量が多いけどやりがいがある
- 連結仕訳の管理はソフトを使う
- 3ヶ月後のなので業務量は多い
- 業務フローから構築するのは大変
連結決算未経験者の3つやりがい
- グループ全体の動きが確認できて面白い
- 自分で作成した資料が公に開示される
- 専門的な知識を持てる
連結決算業務は、連結子会社側で作成する機会はありますが、連結親会社側で作成する機会は少ないです。
わたしは、連結決算の基礎的な知識で上場会社に入社をして、5年間で連結仕訳と連結財務諸表の作成の全工程を経験しました。
経験して感じたことは、入社時は「上場企業の連結を1人で作成できるようになる!」と根拠のない自信で頑張ってきました。
そして、それが実現しました!目標が実現することは、とても充実感があります!
未経験でも大丈夫!ぜひ、あなたもチャレンジして下さい!