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この記事では主に『経理の年収が低い理由』と『経理の年収を上げる行動』を解説しますね。
経理業務は専門性がありますが、直接会社の収益に結び付けることが出来ません。
その結果として『経理の年収は高いか低いかどっち?』に対して結論を出すことが難しいです。
わたしは経理を15年間経験して年収を上げる方法として努力だけでは難しいと気づきました。
この記事では『わたしが年収を上げた理由』を交えて経理の年収について解説をしますね。
他の職種に比べて低いか?3つの視点で確認
マイナビが2021年版の『年収平均ランキング』を公表しました。
3つの分類で年収平均ランキングを作成しているので、ランキングをもとに経理の年収が他の職種に比べて低いか解説をしますね。
年収平均ランキング
職種別平均年収ランキング
最初に『309種の職種別年収ランキング』を見て経理が他の職種に比べて低いか確認しましょう。
職種 | 平均年収 | 順位(全309種) |
会計・税務 | 575万円 | 62位 |
経理・財務 | 502万円 | 152位 |
309種の中で経理に関係のある『会計・税務:62位』と『経理・財務:152位』がランクインされています。
調査データ全体の平均年収は554万円なので『会計・税務』は平均よりも高い年収になっています。
ただ『会計・税務:62位』と『経理・財務:152位』で大きく順位が異なっていますね。それぞれの業務内容を解説します。
会計・税務の業務
会計・税務 平均年収:575万円 順位:62位(全309種)
会計・税務の集計には主に会計事務所や税理士事務所のアシスタントが対象となっています。業務内容は『会計』の知識に加えて『税務』の知識が必要となります。
- 企業の記帳代行
- 企業の決算申告業務
- 会計指導
- 税務に関するアドバイス
税務に関する業務を事業会社で幅広く経験することは困難です。その理由は一つの会社で必要となる税務の知識は限られているからです。
さらに税務には法人で関わる、法人税・消費税・源泉所得税の知識だけでなく、個人で関わる所得税・相続税などが必要になります。
業務内容を見る限りでは企業の経理に関する業務ではないので年収の参考値にはならないようです。
経理・財務の業務
経理・財務 平均年収:502万円 順位:152位(全309種)
経理・財務の集計には経理事務も対象となっています。業務内容は『伝票の作成』から『税務調査の対応』まで幅広い対象となっていました。
- 伝票の作成
- 各種書類の作成
- 申告書の作成
- 連結決算
- 監査法人対応
- 税務調査対応
業務内容を見ると伝票作成のような『経理の1年目がする内容』と、税務調査対応などの『ベテランがする内容』が一つにまとまっています。
なので『平均年収が502万円』となっていますが、あくまでも平均年収であって業務内容によって大きく異なることが推測できます。
年齢別平均年収ランキング
次に『年齢別の年収ランキング』を見ていきましょう。
日本は年功序列型の給与体系が多いので、年齢を重ねるごとに年収は上がっていきます。
順位 | 職種 | 平均年収 |
1位 | 40代前半 | 711万円 |
2位 | 40代後半 | 709万円 |
3位 | 30代後半 | 688万円 |
4位 | 30代前半 | 593万円 |
5位 | 20代後半 | 499万円 |
6位 | 20代前半 | 380万円 |
経理の年収は年齢に大きく影響されます。なので『経理の年収』は『年齢別ランキング』と似た年収構成比になります。30代後半までが年収の増加率が高く、40代以降は横ばいになりますね。
業種別平均年収ランキング
最後に『110種の業種別のランキング』を見てみましょう。上位3位と下位2位を抜粋しました。
順位 | 職種 | 平均年収 |
1位 | 外資系金融 | 1,316万円 |
2位 | 金融総合グループ | 859万円 |
3位 | 環境関連設備 | 833万円 |
109位 | 玩具 | 404万円 |
110位 | 生活協同組合 | 389万円 |
職種はとても大事で同じ業務でも職種や会社の規模によって年収に大きく差が生じます。
1位と110位を比べると1,000万円近くの差が生じています。もちろん業種が違うの単純には比較できませんが、職種によって差が生じるのは確かです。
筆者の経験談
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年収だけでは現れない、年間休日や福利厚生も充実したので職種によって働き方が大きく変わるのを実感しました。
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業務内容で年収に差が出る
『職種別年収平均ランキング』で触れましたが、経理の中でも『年収が高い経理』と『年収が低い経理』があります。
役職が上がると年収は増加する傾向にあるので、業務内容によって生じる年収の差が重要になりますよ。
経理の年収にも特徴があるので『なぜ同じ職種で年収が異なるのか?』を解説しますね。
年収が高い経理業務
『年収が高い経理は業務』は7つあります。
年収が高い経理
- 単体決算及び連結決算
- 会計監査・内部統制監査対応
- 開示業務(会社法・金商法)
- 税金業務(連結納税・税務調査対応)
- 管理会計(事業部門の原価計算・月次決算・予実管理・予算編成)
- 新規投資やM&Aに係る会計・税務対応
- 新会計基準導入や経理関連システム導入などのプロジェクト対応
経理業務の中で上記の業務を担当している場合は、専門性が高く経験できる機会が少ない業務なので年収が高くなります。
年収が低い経理業務
『年収が低い経理は業務』は7つあります。
年収が低い経理
- 入出金管理
- 債権債務管理
- 書類管理
- 伝票作成
- 請求書作成
- 経費精算
- 月次・年次決算サポート
経理の中でも経理事務と呼ばれるサポート業務は年収が低くなっています。専門性が低く多くの人が経験する機会がある業務だからです。
努力で年収は上がりにくい5つの理由
経理の業務内容によって『高い年収』と『低い年収』があることを解説してきました。
次に『経理という職種は努力をすれば年収は上がるか?』を解説していきます。実は経理は努力と年収が比例しない職種なんです。
『努力と年収が比例しない理由』は5つあるのでそれぞれを解説していきますね。
- 収益部門でない
- 単純作業が多い
- 社員の代わりがいる
- 人事評価が不明確
- 年功序列
理由①:収益部門でない
経理は独自で収益を生むことが難しい部門です。
収益を生む部門は努力次第で部門の収益を生む事ができるので、その結果として年収を上げることが可能になります。
※収益を生むことができる部門※
- 営業部門
- 商品開発部門
- マーケティング部門
経理や人事などの間接部門は収益を生めないので、皮肉として『コスト部門』と呼ぶ人もいます。
経理は他の部門から発生した費用や収益を全て集計して、会社全体と部門ごとの事業活動の結果を数値化しています。
とても重要な役割ではあるのですが、独自で収益を生むことができないので『年収が上がりにくい職種』になっています。
理由②:単純作業が多い
経理業務の多くはルーティンワークです。その結果、単純な業務が多くなります。
ルーティンワークは『ベテラン経理』でも『新入社員』でも同じ成果を出すことが可能な素晴らしい仕組みです。
この仕組みは会社には良いことですが、だれでも同じ成果を出せる業務の場合は年収が上がりにくくなるんです。
高度な知識が必要な業務もある
経理業務の中には『専門性の高い業務』や『分析などの経験が必要な業務』もある
経理業務全体の割合に占めるルーティンワークの割合が多いので年収が上がりにくいんです。
理由③:社員の代わりがいる
年収が上がりやすい業務特徴の一つに『その人しかできない業務がある』と会社に認められる特徴があります。
『単純作業が多い』でも解説をしましたが、経理はルーティンワークが多いので『その人しかできない業務がある』と会社に認められることが難しいんです。
商品開発部門であれば『この人が開発商品は必ずヒットする!』と会社に認められていれば、その社員には高い年収を支払っても会社に残ってほしいと考えます。
経理部門だけでなく管理部門全般に言えることですが『その人にしかできない』と会社から思われるような業務は数が少ないんです。
経理で唯一の存在になるためには
経理でも『その人にしかできない』と会社から思われることは可能です。
※経理で唯一の存在になる方法※
- 税務の知識が税理士より豊富
- 分析能力が優れている
- 社長よりも会社の歴史に詳しい
- 複雑なシステムを理解している
- 他部門から信頼されている
これらのほかにも、どんな分野でも良いので一番信頼を得ている能力があれば『その人にしかできない』と会社から思われることは可能です。
どんな分野でも同じですが、その業務を突き詰めて一番詳しい人になる事ができれば年収を上げれます。
理由④:人事評価が不明確
経理の仕事は人事評価をすることがとても難しいです。
そもそも経理の仕事で『どんな内容』を『どのように評価するか』が定められていない会社も多いです。
そのような会社は、人事評価は行われないか、行われたとしても形式的な評価で的を得てない場合が多いです。
経理の評価は減点方式
管理系の仕事全般に該当するが『仕事は正しく行われて当然』の状況で仕事をする
それでは経理の仕事はどうすれば人事評価で良い評価が得られるのでしょうか?その答えは『自分自身ではどうする事もできない』です。
人事評価によって年収が上がるのではなく、誰かが退職したり事業が拡大するタイミングで業務量が増えた場合に年収が上がるんです。
理由⑤:年功序列
『人事評価が不明確』でも解説しましたが、経理では人事評価が正常に機能する会社はほとんどありません。
なので、経理部門への入退社や会社自体の業務拡大がない場合は、基本的には年齢とともに年収が増加します。
上司と年齢が大きく離れていて、上司が定年退職や他部署に異動になった場合は、あなたが上司の立場に変わり仕事をすることがあります。
年功序列の給与体系で年収が上がるのは、組織内で大きな異動があって業務内容が大幅に変わる時です。
年収を上げる2つの方法
ここまでで『努力しても年収が上がりにくい5つの理由』を解説しました。
解説した内容をまとめると『自分自身の努力では年収を上げることが難しく、外部要因が大きく影響している』です。
『自分自身で年収を上げる方法は本当にないか?』と疑問に持つかもしれません。実は行動で年収を上げる方法が2つあるので解説しますね。
年収が低い経理
- 転職する
- 士業を目指す
方法①:転職をする
『ほかの職種に比べて経理の年収は低いか?』でも解説をしましたが、年収に大きく影響する分類が2つあります。
- 経理の業務内容
- 働いている業種
しかしこれらは、現在働いている会社で大きく変えることは難しいです。
あなたが変える事ができない事
経理の業務内容は上司が決める
会社の業種は社長が決める
これらは今の会社で働き続ける限り変えることは難しいです。変えることができる最も効率の良い方法は『転職』です。
『転職』はあなた自身が年収に大きく影響する『業務内容』と『会社の業種』を決めることができます。
『転職できる自信がない』『転職する時間がない』とマイナス方向へ考えがちですが、転職活動を進めると自然に自信と希望が身についてきます。
転職のプロであるエージェントに相談すると有益なアドバイスをもらえるので、まずは相談してみてくださいね。
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上場企業の経理に挑戦
また、上場会社は非上場会社に比べて年収が高い場合が多いです。
※『上場企業の経理について』は以下の記事で解説してるので読んでくださいね。
-
上場企業の経理はきついか?上場企業で働くベテラン経理が解説【失敗しないために理解必須】
続きを見る
方法②:士業を目指す
年収を上げる2つめの方法として、士業といわれる『税理士』『公認会計士』を目指す方法です。
日商簿記などの資格はありますが、資格を取得をしても年収が大幅に上がることはありません。
資格取得で年収が上がる場合
会社によっては資格手当が支給される
『税理士』と『公認会計士』は経理だけでなく、独立をして経理・会計・税務の専門家になることができます。
しかし『税理士』と『公認会計士』は資格に合格する必要があり、とても難易度が高く年数を火が必要になります。
ただ、合格できなくても学習した知識は仕事で活かすことができるので、より高度な知識を必要としている企業に転職をして年収を上げる事もできますよ。
『経理の年収は低いのか?』のまとめ
この記事では『努力では年収が上がりにくい理由』と『年収を上げる方法』を解説しました。経理は同じ仕事をしていても、業種によっては年収が大幅に変わります。
わたしは転職をしたときに『転職先で働いる人の経理の知識』と『わたしの経理の知識』を比較して感じたことがあります。
同じ仕事をするのであれば、年収は高いほうが良いです。経理15年の経験から感じた年収を上げる一番良い方法は『転職』です。
転職のプロであるエージェントに相談すると、有益なアドバイスをもらえるのでまずは相談してみてくださいね。
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